2010年7月30日金曜日

小倉は日帰りできる場所:センチメンタルな新岩国駅

中学時代からの深い友達、つまりはかなり変態的な会話までを挨拶のように交わすことのできる相手、と小倉まで遊びに行くことになった。この友人は今では、勤務時間が不規則な立派な仕事についており、ぽっこりと休みになったこの一日を狙い澄ましての小倉行きである。

朝出発、この友人が昔住んでいた団地の近くの、墓場なんかがあるらへんで写真をなぜか撮っていたようで、変な時間に新岩国駅着でいきなりの一時間待ち。

ご存じ山口県は新幹線王国であり、駅は五つもあるものの、そのいちばん東に位置する我らが新岩国駅には、各駅停車の【こだま】のみが止まることを許されている。

つまりは都市部のような軟派な駅とは明らかに一線を画し、「次のがすぐ来るだろう」なんて呑気な考えは死につながると言ってはもちろん過言。時間ぴったりに行けばそれはそれで焦るし、ちょっと時間があるなというときでも、錦帯橋の模型でも見ますかね、とやってももちろん二秒で飽きるし、かなり待つときにはどう時間を使うかという人間性、それが試されるわけで、これは同行者との今後の関係を占うには成田空港以上の物語が繰り広げられる、そういう場所である。

とにかく、今回のように最も待つパターンで一時間待ち、そんなときにはおとなしく、駅前の喫茶「まつば」で遅めのモーニングを食べるに限る。ゆで卵を食べながら、お互いの携帯電話の電波の入りなどを自慢しあっていれば、軽く時間など消費できる。軽いものだ。



こだまといってもやはり我々ぐらいになると1時間待った挙げ句、すでにテンション下がりかけながら乗り込むのはナチュラルに500系こだま。元のぞみだったボディを持つスレンダーな美人ちゃんである。どうせ僕喫煙者だし、といちばん端っこでポツンと待っているのは危険だ。500系こだまにはいちばん外側の乗車口が無い。そもそもこいつには喫煙車両も無いのだ。

そんな無い無いづくしの新幹線に乗ってみれば客も無い。この車両には我々二人組しかいない。こりゃ1時間待った甲斐があったわ、ってんで運転させてもらった、のが上の写真で、他には誰もいなかったのに凄く恥ずかしかったのは付記するべきだろう。




工場萌えの身としては徳山通過時は興奮する。キレイだ。







お目当てはあったのです。北九州市立美術館でやっている「生誕150年記念 アルフォンス・ミュシャ展」。500系こだまで移動する身分なら休日もアカデミックでないとね、というのは嘘で、これは友達が行きたい行きたいうるさかったからなんとなく着いていったものです。そういえば新幹線を1時間待っていた喫茶店の「まつば」でもミュシャの絵がかかっていたなあ。演歌も流れていたなあ。

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